Revolutという新しい銀行のサービスとビジネスモデル
銀行のサービスって使いづらいですよね。
なぜか平日のビジネスアワーしか開いていない窓口。だからといってネットやスマホアプリで全て完結できるわけでもなく、そもそも使いづらすぎるインタフェース。
いつの間にか搾取されている手数料。海外送金なんてしたら数千円から数万円を手数料で取られることも。手数料ってそもそも何なんですかね。
そんな日本の金融業界もイギリスのモバイル銀行「Revolut」が上陸すると大きな変化が起こるかもしれません。それだけ「Revolut」は今までにない革新的なサービスを提供しています。
Revolutとは
モバイルApp
RevolutはモバイルApp専用の銀行です。今はスマホ一つで何でもできてしまう時代。特に生活に身近な銀行にとって、モバイルAppで何でも出来てしまえば、わざわざラップトップを開いて立ち上げてWebページを開いてログインして、、、をしてまでWebページでの銀行サービスは利用用途が無いかもしれませんね。
Top-up(入金)
Revolutはリトアニア経由で正式に銀行業の免許を取得した銀行です。よって、まずはお金を入金する必要があります。入金は銀行口座、デビットカードやクレジットカードから入金ができます。カードからの入金の場合、手数料が1%掛かります。
両替(通貨交換)
世界中の26通貨に両替ができます。なんと手数料無料です。但し、制限枠はあります。ひと月£5,000(ポンド)までは無料で、その後は超過した金額の0.5%掛かります。両替時に使う為替レートも、従来のサービスとは異なる「インターバンクレート」を使っています。インターバンクレートの特徴はカスタマーレートよりも換金手数料や安く、利用者にとって有利なレートに設定されているということです。
送金
海外送金に掛かる手数料も無料です。従来の日本の銀行では、最低でも三千円掛かります。それが無料でかつ、タイムリーに送金が出来ます。
デビット機能付きカード発行
カードブランドであるMasterCard経由でRevolutのカードを発行できます。このデザインがまたオシャレで物欲を掻き立てられます。気づきましたか?カードの表面にカード番号や有効期限の印字が無いんです!デザイン一つとってもこだわりを感じます。
支払い(決済)
日本で主流となっているクレジットカードとは違い、銀行の預金が即引き落とされます。RevolutのモバイルAppから、どの店で幾ら使ったのかがリアルタイムで把握できるだけでなく、お金が動いたタイミングで「プッシュ通知」もしてくれます。
しかも、見やすいUI、操作しやすいUXでどの店に幾ら支払ったのかはアイコン画像を駆使して一目で分かるようデザイン設計されてます。また「レストラン」等のカテゴリ別に集計もできるので、個人の支払い習慣の把握もできます。
口座
通常の口座は無料で使えます。その他、ビジネスでの利用を想定した法人口座と、海外保険等が付いたプレミアム口座があります。 各プランの比較は以下のサイトで詳細にやっています。
ここで注目したいのが「Vault」という貯蓄支援サービスです。
日本でも貯蓄支援系のサービスは色々と出ていますが、正直どれも導入が面倒です。Revolutはそれ一つで決済と貯蓄を実現できます。使い方もシンプルで、下の画像のように「Student Loan」などの貯蓄目標と金額を設定します。それだけです。その後は、決済の度に端数が貯蓄に回されます。オプションで貯蓄目標達成の目標日付などが設定できます。
具体的な使い方は以下の動画で公式Revolutが説明しています。こういった動画をYoutubeにアップしてくれているのもポイント高いです。
どういうシーンで使われているのか
#RevFridayFact: Here’s the top 10 places where Revolut users love to shop! How do you compare? Find out in the Spending Analytics tab!📊 pic.twitter.com/fSUoAowyyZ
— Revolut (@RevolutApp) August 11, 2017
では実際、Revolutが今ヨーロッパで「どういうシーンで使われているのか」を示したグラフが上記になります。
TFLはロンドンの交通機関、Uberは皆さんご存知のライドシェアリングサービスですね。やはり上位はトランザクションの多い交通系の決済となっています。
3位のAliexpressは日本では馴染みは無いですが中国アリババのオンラインショッピングモールです。6位のAmazonと合わせて、やはりオンラインショッピングでの利用も多い結果となっています。
4位にはマクドナルド、5位にはPRET A MANGERがランクインしています。PRET A MANGERは主に食料品を取り扱うスーパーです。
ビジネスモデル
上の図がRevolutの収益箇所をマッピングしたものです。主に以下が収益箇所となっています。
- ATMの制限枠を超えた現金引き出し
- 支払い時の加盟店から徴収する手数料
- プレミアム口座の月額Fee
- 法人口座の月額Fee
日本への上陸
以下のニュースを見るとシンガポールと日本への進出準備が整ったとあります。日本では、楽天、損保ジャパン、凸版とパートナーシップを結んでいるようです。カードのデザインや発送、付随する保険などで協業するイメージでしょうか。
日本には2019年第1四半期に上陸予定と書いてありますが、まあ延期するでしょう。来年のどこかで上陸してくれれば嬉しい限りです。
Revolutとしては東京オリンピックまでに円通貨への対応をしてくるでしょう。そうなった場合、ヨーロッパからの訪日観光客は日本で今なぜか盛り上がっているQRコード決済は使わず、オシャレなカードを持ってオシャレに買い物していくことになると思います。
最後に、Revolutのページです。Waiting Listへの登録が済んでいない方はお早めに。
https://www.revolut.com/en-JP/
別の記事に書いた「次世代の銀行」の姿に近い「Revolut」。目が離せません。