【図解レビュー】NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える
2018年12月11日に日本経済新聞出版社から発売されました、「NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える」の内容を整理の上、図解しました。
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NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える
次世代銀行のスケッチ
其々、記載されていた内容に対して、エンドユーザ目線の言葉に置き換え、マップにしました。銀行に対する「固い」「古い」イメージが一新されそうですね。同時に、「銀行員のあり方」についても変化が必要になると思います。
今以上に顧客が銀行を自由に選ぶ時代となり、銀行には徹底定期な顧客志向、他銀行とのサービスの差別化を生むためのクリエイティビティが求められるかと。もはや、「銀行員」という言葉自体が薄れたモノになるか、「銀行員」の定義自体が狭まるという可能性もあると考えています。
オープンバンキング
オープンバンキングに向けた施策、オープンAPIの構造について図解しました。世間ではオープンAPI自体が注目されていますが、ここでの一番のポイントは土台となっている規制を、ABCと記載した機能毎に整理する(「機能型」と表現しています)ことだと考えています。
未来の銀行の土台となる原則
PSD2に関しては2007年に成立したPSDに対して、Fintech企業勃興への対応を施したもので、2016年に発行された後に、2018年1月までに各国で法制度化を終えています。
GDPRに関しては個人情報保護に焦点を当てた施策で、EU内に拠点を置くデータ管理者や処理者を対象としており、主にGAFAをはじめとしたプラットフォーム企業により個人データ濫用への牽制・規制を目的としています。2016年5月に発行、2018年5月に施工されています。
利用者に対して、PSD2が「攻めの施策」、GDPRが「守りの施策」といった感じでしょうか。GDPRについては利用者自身の個人データにおけるITリテラシーの強化も並行して実施していく必要があるかなと考えています。
自身の個人データについて、様々な権利を利用者は手にしますが、それを行使するかしないかは、結局の所、利用者が判断する必要があるためです。
Banking As A Service(BAAS)
BAASという四文字の略称は「Blockchain As A Service」や「Backend As A Service」など他にも存在するため、ややこしいですね。但し、この「Banking As A Service」は個人的には一番気になっているサービスです。
銀行サービスを「利用者にサービスを提供するレイヤ」と「サービスのバックエンドを支えるレイヤ」に二分割できるためです。従来の金融各社は各種規制への対策や監査の対応のため参入障壁が高く、強固なバックエンドの構築と運用が必要になります。これらの手間をBAASで削減するとともに、顧客接点にリソースを注力できるようになります。結果、利用者としてはより質の高い便利なサービスを利用できるようになります。
本書の中ではこれらBAASの実現例が記載されています。
所感
以上です。
仕組みや考え方をメインに図解しており、本書の中では他にも世界各国の実施例や、金融イベントのフィードバック、著名人のインタビュー内容が記載されており、日本の金融業界の今後を考察する上で、大変勉強になる一冊と思います。
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本ブログで興味を持たれた方は是非「NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える」を読んでみてください。